メンタルヘルスマネジメント検定が役に立つかどうか、実際にII種に合格した人事労務責任者が教えます!
2021年3月にメンタルヘルスマネジメント検定II種ラインケアコースを受験しました!
こういう資格試験って、「役に立つか・役に立たないか」どうしても気になっちゃいます。
そこでこの記事では、人事労務部の責任者をしている私が、メンタルヘルスマネジメント検定が役に立つのかを教えます!
- メンタルヘルスマネジメント検定を受けるか迷っている人
- メンタルヘルスマネジメント検定に合格して役に立たない資格か心配な人
この記事にはこんなことを書いています。
- 役に立つ時
- 自分のメンタルヘルスのケアが上手になる
- 部下のメンタルヘルスに関心が高まる
- 家族や親しい人のメンタルヘルスの変化に気づきやすくなる
- メンタルヘルス関連の法令にちょっと詳しくなる
- 20代前半のうちの転職
- 役に立たない時
- ハイキャリアの転職
- 30代以降の転職
でもこういう資格試験って「役に立つから受験する」とか「役に立たないから受験しない」という事ではないと思います。
とっつきやすいトピックですし、合格率も高くて勉強のモチベーションも維持しやすいので、興味があれば受験してみてください!
わたしが3週間の独学で合格できた参考書はこの2つのみです。
では、実体験をもとに詳細を書いていきます!
メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない?ストレス耐性が上がる資格
そもそもメンタルヘルスマネジメント検定とはどんな検定でしょうか?
メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは
働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得していただくものです。
わかりやすくいうとストレスに負けないように予防して、ストレスへの対処法を学ぶという検定です。
メンタルヘルスマネジメント検定には3つの種類(レベル)があって、それぞれ目的が違います。
目的が違うと、種類ごとに「役に立つこと」と「役に立たないこと」も違うのでまとめてみます。
コース | I種 マスターコース |
II種 ラインケアコース |
III種 セルフケアコース |
対象 | 人事労務管理スタッフ、経営幹部 | 管理監督者(管理職) | 一般社員 |
目的 | 社内のメンタルヘルス対策の推進 | 部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進 | 組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進 |
到達目標 | 自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる。 | 部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる。 | 自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる。 |
役に立つ シーン |
会社全体のメンタルヘルスマネジメントの方針を決める
会社全体でメンタルヘルスマネジメントの対策を決める |
部下のメンタルヘルスを守る
自分のメンタルヘルスを守る |
自分のメンタルヘルスを守る |
出典: メンタルヘルスマネジメント検定公式HPから抜粋し一部編集
I種、II種、III種と、内容が違いますね。
なので、役に立つシーンや役に立たないシーンも異なります。
たとえば、III種(セルフケアコース)を受験しても、部下のメンタルヘルス管理や会社のメンタルヘルス計画の作成には役に立たないでしょう。
メンタルヘルスマネジメント検定は同時受験できる
メンタルヘルスマネジメント検定は、自分の目的によって同時受験(併願)できるのがいいところです!
なので、自分の目的によって受験する種類を変えてみてください。
ちなみにわたしは、I種のセルフケアコースを受けずにII種を受験しました。つまり飛び級です。
メンタルヘルスマネジメント検定II種には、自分のメンタルヘルスを守るような内容も含まれているので、I種の受験はやめました。
受験料もバカにならないですしね…。
- I種マスターコース ➡︎ 11,550円
- II種ラインケアコース ➡︎ 7,480円
- III種セルフケアコース ➡︎ 5,280円
(2021年4月時点)
メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない?実は人気の資格
メンタルヘルスマネジメント検定ってあまりなじみがないですが、意外と人気な資格です。
メンタルヘルスマネジメント検定が人気であることを示すデータがあるのでまとめました。
withコロナ時代に取得したい資格1位
2020年にユーキャンが実施した『withコロナ時代の働き方と学び方に関する意識調査』では、「withコロナ時代に取得したい資格」の1位に「メンタルヘルスマネジメント検定」が選ばれました!
リモートワークが増えたり、会社が不安定になったり、健康リスクがあったりして、みんなストレスを抱えているんですね。
メンタルヘルスマネジメント検定は、そんなストレス社会に役に立つ資格としてとらえられているのでしょう。
お役立ち資格ランキング(総合)3位
日経HR(日経キャリアマガジン)と日本経済新聞社が共同で実施したアンケートでは、メンタルヘルスマネジメント検定が
- 「お役立ち資格ランキング(総合)」で3位
- 「取得したい資格ランキング(総合)」で11位
に選ばれました!
有名大企業が法人として従業員に受験してもらっている
メンタルヘルスマネジメント検定の公式HPによると、有名大企業が法人として社員に受験してもらっていますね。
会社として社員に受験してもらっている企業の中で、受験者数が多い企業TOP5はこちら。
- 明治安田生命保険相互会社
- YKK AP株式会社
- 大同生命保険株式会社
- 株式会社NTT東日本ー南関東
- 大和リース株式会社
過去11年で受験者数が65%増
メンタルヘルスマネジメント検定の公式HPで公開されている受験者数を見ても、この11年で約65%も受験者数が増えています。
わたしはミーハーなので、「人気!」とか聞くとついつい受験しちゃいたくなるタイプです。
メンタルヘルスマネジメント検定って役に立たない?役に立ちます!
メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たないと思われているかもしれませが、役に立ちます!
実際にメンタルヘルスマネジメント検定II種(ラインケアコース)を受験したわたしは、4つのポイントで役に立っているなと感じます。
- 自分のメンタルヘルスのケアが上手になる
- 部下のメンタルヘルスに関心が高まる
- 家族や親しい人のメンタルヘルスの変化に気づきやすくなる
- メンタルヘルス関連の法令にちょっと詳しくなる
自分のメンタルヘルスのケアが上手になる
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強をしてみて、自分自身のメンタルヘルスを上手にケアできるようになったと思います。
メンタルヘルスマネジメント検定を勉強するまでは、正直、自分には関係ないと思っていたメンタルヘルスの不調。
心の健康は壊さないと思っていました…。
ですが、
- メンタルヘルスの不調に悩まされる人って結構多いんだな
- 仕事だけじゃなくて家庭のこともやっぱりメンタルヘルスに影響するんだな
というような、あたり前と言えばあたり前の知識を、いろんなデータや事例を勉強することで、理解が深まったと感じます。
メンタルヘルスが崩れてしまった時の対処法も紹介されていたので、実際に実践できるようにもなりました。
例えば、メンタルヘルス不調の根本を取り除けなくても、「気分を晴らすこと」というのも大事な対処法なんだということを理解できたりします。
こういうような、「よく考えたらあたり前かもしれないけど忘れがちなこと」を学べるので、とても有意義です。
部下のメンタルヘルスに関心が高まる
わたしが受けたメンタルヘルスマネジメント検定II種(ラインマネジメント)は、文字通り「部下のメンタルヘルスケアが上手になる」ための内容です。
メンタルヘルスマネジメント検定に合格しても、部下の不調に気づくようになれるかと言われると、正直微妙なところです。
でも、部下のメンタルヘルスを崩さないようにしようという気持ちが強くなって、部下への関心が高まりました。
今までは、仕事上最低限必要な会話だけする部下もいました。
でも、積極的に自分をさらけ出して話す事で、部下が仕事や仕事以外のことでも何か困ったことがあれば気軽に相談してもらえる関係をつくろうと心がけています。
家族や親しい人のメンタルヘルスの変化に気づきやすくなる
普段から、部下や同僚よりは、家族や親しい人のちょっとした変化には気づきやすいのではにでしょうか。
このメンタルヘルスマネジメント検定を勉強すると、他人への思いやりがより強くなった気がします。
メンタルヘルスの不調とまではいかなくても、家族が疲れてるなとか、体調悪いかなとか、ちょっとした変化に前よりもよく気付くようになりました。
ラインケアコースという部下のメンタルヘルス管理のコースを受けたのですが、身近なところでも役に立っています。
メンタルヘルス関連の法令にちょっと詳しくなる
わたしは最近、人事労務や総務などの労働環境についての仕事をしています。
人事労務や総務は、労働者の健康を守る役割があるので、いろんな法律や国の制度に詳しくないといけません。
例えば
- 産業医が必要な企業規模
- メンタルヘルスチェックが必要な企業規模
- など
このメンタルヘルスマネジメント検定で勉強できたので、仕事に役立つ知識を得ることができました。
メンタルヘルスマネジメント検定って役に立たない?役に立たない時もあり
個人的には、メンタルヘルスマネジメント検定は役立つ資格だと思います。
でも役に立たない場面もあるんです。それは転職活動のとき。
メンタルヘルスマネジメント検定は3つのレベルがありますが、
- II種(ラインマネジメント)※私も受験しました
- III種(セルフケアコース)
は、転職にはあまり役立たないでしょう。
わたしはI種(マスターコース)は受けていないので内容を詳しく知りませんが、I種も転職にはあまり役に立たないと思っています。
これまで何年間も採用担当として、何人も書類選考や面接をしてきましたが、資格試験が転職で有利になることは意外と稀です。
実はハイキャリアになればなるほど資格はあまり役に立ちません。
- 検定や資格は、実務経験がないと転職市場では役に立たない(メンタルヘルスマネジメント検定だけに限らず)
- 誰でも取れそうな難易度が低い資格は転職では役に立たない
- 自己啓発的な資格は意味がない
- 専門性が低い資格は転職市場では役に立たない
- 独占業務がない資格は転職市場では有利にならない
採用担当の経験と実際に自分で受験してみて感じたのですが、メンタルヘルスマネジメントI種とII種は自己啓発的な意味合いが強いと思います。
残念ながら、自己啓発的な資格であるメンタルヘルスマネジメント検定のI種とII種は、履歴書に書いても有利にはならないでしょう。
しかし、限られた人にしかあてはまりませんが、転職活動でも役に立つ可能性もあります。
具体的には、転職活動で履歴書にメンタルヘルスマネジメント検定と書いておくと役に立ちそうな人はこんな人。
- 新卒採用の大学生や大学院生
- 第二新卒(社会人経験2年〜3年目くらいまで)の社会人
- 20代前半で総務・労務・人事に転職したい社会人
- 社員が15人くらいのベンチャー企業の総務・労務・人事に転職したい30代前半くらいまでの社会人
ここに書いたようにある程度「若め」の人たちにとっては、メンタルヘルスマネジメント検定が転職活動で役立つ可能性があります。
ただ、わたしが受験したII種(ラインケアコース)を受けている人は30代以上が多かったような印象です。
年齢が上がれば上がるほど、転職活動での資格を持っているかどうかは、あまり関係なくなります。
「30代以上の社会人」や「年収1000万円を超えるようなハイキャリア」で転職で有利になる資格はこういう資格です。
- 独占業務がある士業
- 難関資格
- 資格に関して実務経験がある場合
繰り返しになりますが、メンタルヘルスマネジメント検定は、転職活動以外では大いに役立つ資格と言うことをお忘れなく!
メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない?やる気が出るので楽しい
メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない資格だと言われているかもしれませんが、それは転職や独立に役に立たないだけ。
逆に、こんなシーンではとっても役に立つ資格なんです。
- 自己啓発
- 資格マニア的に受けたい
- 自分のメンタル管理を上手にしたい
- 周りの人をもっと思いやれるようになりたい
- 部下のメンタルヘルスを上手に管理したい
転職や独立という目的以外でメンタルヘルスマネジメントに興味がある人にはとってもおすすめの資格です。
おすすめの理由は2つあります。
メンタルヘルスマネジメント検定は取り組みやすいトピック
メンタルヘルスマネジメント検定はすごく取り組みやすい資格です。
- メンタルヘルスという身近なトピック
- すぐに役立つ知識が得られる
- テキストの種類が少ないのでむしろ悩まなくていい
- 独学で勉強しやすい
「勉強するのが苦手」とか「久しぶりに勉強する」と言うような人たちにも向いています。
なので、興味がある人は受けてみると楽しいですよ。
メンタルヘルスマネジメント検定は合格率が高い
メンタルヘルスマネジメント検定II種とIII種は、合格しやすい資格だと言えます。
特に、人気のあるII種のラインケアコースの最近の合格率も高いです。
- I種マスターコース ➡︎ 21.3%
- II種ラインケアコース ➡︎ 56.5%
- III種セルフケアコース ➡︎ 86.4%
しっかり勉強すれば独学で合格できる資格は、モチベーション高く取り組みやすいですよね。
「役に立たないから受験しない」という考えではなく、興味があったら勉強してみるのがおすすめです。
勉強する習慣が身につけば、もっと難易度が高くて転職などに役に立つ試験にもチャンレンジしたいと思えるかもしれません!
実際、このメンタルヘルスマネジメント検定を受けてみて、労務や法務の仕事をしているわたしは、社労士にチャレンジしてみようかなと考え中です。
余談ですが、この記事 では、海外大学卒業のわたしでも社労士試験の受験資格があるか、社労士試験の事務所に問い合わせた結果を紹介しています。
【まとめ】メンタルヘルスマネジメント検定は役に立たない?そんなことない!
メンタルヘルスマネジメント検定は、役に立つときと役に立たないときがあります。
- 自分のメンタルヘルスのケアが上手になる
- 部下のメンタルヘルスに関心が高まる
- 家族や親しい人のメンタルヘルスの変化に気づきやすくなる
- メンタルヘルス関連の法令にちょっと詳しくなる
- 20代前半のうちの転職
- ハイキャリアの転職
- 30代以降の転職
こういう資格試験にチャレンジする理由は、「興味があるかどうか」が大事ではないでしょうか。
「役に立たない・役に立つ」というのは、後から考えてもいいと思います。
実際にわたしは、メンタルヘルスマネジメントに興味があったので受験しました。役に立ちそうだからという理由ではないんです。
また、このメンタルヘルスマネジメント検定は短期間で勉強して取得できる資格です。
なので、興味があれば受験してみるのをおすすめします。
ちなみにわたしは、独学で試験2週間前から本気で勉強したので、勉強時間もあまりかかりません。
社会人で忙しくて勉強時間が確保できないと心配なあなたはこちらの記事も参考にしてみてください!
わたしが3週間だけの勉強で使った教材はこちらの2つのみです。
これだけあれば100点中96点で合格できます!(実際に私が96点で合格しました)
公式テキスト
公式過去問
どちらも公式の参考書なのでとても頼りになります!
私がメンタルヘルスマネジメント検定を受けた会場でも、8割くらいの受験生はこの公式テキストと公式問題集をつかって復習していました。